回り込み解除

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

回り込み解除


同人誌の感想です。
(privatterに上げていたものをお引越ししました)

続きは追記からどうぞ。

おねショタ ファンタジー 一次創作 小説
『暗喩の箱庭、アミニスト』
組鐘ヒムネ様 @HymneKumigane
https://plag.me/c/textrevo04/6F_North/A/3

 既存のどんなジャンルにも当てはまらない、途方もない広がりを内包した物語。一面ただ赤い世界で意識を取り戻した主人公はそれまでの記憶を持たず、宛てなくさまよい始めます。その中で出逢う人々は自らを“アミニスト”と呼び、己の血によって育つ食物を摂り、“トラウマ”によって体が黒く蝕まれるという体質と闘いながら生活を営んでいます。アミニスト達を導く存在・カーに“ツァラ”という名を与えられた主人公は、アミニスト達と対立する魚人、幽霊のグレーテとの邂逅を経つつ、この不思議な世界の謎を辿っていくのですが……。

 物語のクライマックスには作中の謎が明かされはするのですが、それだけで終わらず、「あれはどんな意味だった?」「これはもっと別の意図も隠されているのでは?」とより深いところまで思わず探っていきたくなりました。綺麗に結末を迎えたはずなのに、この世界のことをもっと咀嚼して解釈したい、そんな意欲が自然と湧き上がる読後感です。タイトル通り、まさしく『暗喩の箱庭』。そして、その“暗喩”の料理法を読者にまるっと委ねてくれるのが、またこの作品の懐の深さでございます。空も地上もなにもかもが赤く、ふと息苦しさを覚える箱庭の世界の物語ですが、最後にはふっと視界が開けるような希望で彩られていて、晴れ晴れとした気持ちになりました。

 作者の組鐘ヒムネ様の作品は他にもバラエティに富んでいて、壮麗かつ禁欲的な文体で綴られる濃厚な物語が多数入った短編集や、中世のキリスト教社会とそこで生きる司祭を描いた『セシル拾遺』など、その幅の広さも圧巻です。どれにも共通して感じるのは、シビアな運命を容赦なく描き出す作者様のストイックな筆致、そこからもなお溢れ出す人間が持ちうる力強さへの、願うような信頼。そこから喚起される歓喜の読書体験を、ぜひ一度味わって頂きたいです。



『女の愛と生涯』
あずみ様 @azumi_kuritani  
https://plag.me/p/textrevo04/2370

 ふたりの歌姫を巡るワスレナウタシリーズを、もうひとつの視点から描いた番外編。これはぜひ本編を読んで頂いてから、お手に付けて頂きたい……本編では敵役で、憎らしいような、でもどこか進んで道化役を買って出るような、哀愁漂う彼が本作の主人公です。その切ない心情と確かにあった歓びから紡がれる物語に涙します。

 本編を読んでも思いましたが、人を愛するというには無数の方法があって、結婚する、子どもを育む、ということだ唯一絶対解でないのだ、ということを本作を読んで改めて思いました(勿論、それらもひとつの幸せな解であることは言うまでもありませんが)。彼女が求める最善解の、その隣にいられるのが自分じゃないと悟ったうえで、それを導くために自らの役割を全うしようとする彼が、本当に愛おしいです。本編読んだ時からそういう奴だよな、アルノルトって……って妄想して勝手に泣いてましたが、それを本家様が遥かに凌駕するクオリティで書き下ろしてくださったこの幸福よ。

 テキレボでは本編の無料配布が出るそうで、本作はないっぽい? ので、ぜひ未読の方は無料配布を! そして来たる本編総集編に向けてウォーミングアップしてください!



『絆の名は、○○』
月兎柑様発行
https://plag.me/p/textrevo04/1342

 主従アンソロ、なんて大層甘美な響きで、そりゃもう買っちゃいますよね! それが4作ともそれぞれの味わいで描かれていればなおさらです! いずれもファンタジー世界の主従関係なので、ファンタジーすき様にもぜひ!

『絆の名は、恩愛』卯月様:
テキレボアンソロでも登場していたムジーク王国君主・スコアと、その兄弟である臣下たちとのあたたかく強固な絆。揺るぎない彼らの信頼関係に、胸がじんとあたたかくなります。

『絆の名は、光明』つぐ様:
放蕩を装う孤独な王・アルセリウスと、その心に寄り添った女騎士・リア=ローザの切なくもうつくしい絆。リアのしあわせのため王が下した選択が心を強く打ちます。

『絆の名は、取引』ほた様:
幼き賢者・キールクラインとその従者・チェストの、微笑ましくも力強い兄弟のような絆。幼い少年主に苦労性の騎士って、王手感が半端ないです……!

『絆の名は、恵愛』まる様:
少女時代の王女アルメリアと老騎士シゼロの、ほろ苦くも清かに輝く大切な絆。もう、もう多くは語りません。全 お っ さ ん × 少 女 ス キ ー 必 読 の こ と。



『アクリルガラスのあいだ』
紙箱みど様 @middlechronica
https://plag.me/p/textrevo04/736

 うわーんベルちゃんのかわいさに轢き殺されるよおおおおおおおおおおおおおおおお/(^o^)\ 圧死だよ圧死ィ!!!!! 人魚であどけなくて人に懐いてて普段黒キャミ一枚で髪の毛がうつくしいグラデーションで一人称“ぼく”で天然で一途に恋しちゃうベルちゃん性癖詰め込み過ぎでしょ性癖重機でしょこれ????????? 

 ごほんごほん、ちょっと真面目に。世にも珍しい“人魚”を展示する水族館。何気なくそこを訪れた主人公ジョン・ブラックは、展示される人魚ベルメットフルールに魅了され、ついには彼女を水族館から盗み、連れ出してしまいます。ふたりで共に過ごす生活は、それまで乾燥しきった日々を送っていたジョンの心を潤し、ベルも彼とともに在ることを願い、しあわせな毎日が続くように思われたのですが――

 と、あらすじなぞっただけでもう切なさ炸裂してるでしょ? ときメモだと三人ぐらいの爆弾が誘発して大惨事になるくらい切な過ぎでしょ? 逃避行の結末はいつの世も定まっているもの。ふたりのあたたかな絆の行方もどうなるか、作中でも折に触れて暗く示されます。それが一層胸を締め付けられ、ふたりの幸福を願わずにはいられません……それを華麗に突き落としていく作者様もうまぢぉにちく……だがそれがいい……。ベルを攫わずにはいられなかったジョンの激情と孤独な生き様、純粋にその好意を受け取りジョンに手を差し出すベル。その心の交流がどこまでもうつくしく、故にラストには心底安堵しました。ふたりの関係を象徴するタイトルがまた絶妙です。

 とか色々ごちゃごちゃ言いましたけど、要はとっても快感なのでぜひこの性癖重機ベルメットフルールちゃんに轢き殺されてください。大丈夫、じき癖になる。



『ESTASIA「見えない月の導き」』
柊呉葉様 @KurehaH
https://plag.me/p/textrevo04/731

 謎と危機に銘々が死力を尽くして立ち向かう、正統派ファンタジー巨編の序章。主人公チート無双とかはなく、登場人物それぞれの領分がきちんと定まった中、それを生かして苛酷な状況を乗り越えていく硬派なところが何とも堪らない冒険譚です! キャラクターも多いのですが、立ち位置がはっきりしていて個性的なので誰が誰か見失わず読み進められるのにもほれぼれします。 

 海は荒れ、十二隻の船が沈み、十三隻目が辛うじて港に戻るものの、生存者は無く――絶望的な空気の漂う中、友の敵を討つため船長のブランガルは航海のための人員を募ります。しかし死出の船出に集ったのは最低限の人員ばかりで、中には傭兵ですらない旅人や子どもたちまで……それぞれの思惑の中海を越えるという目的で結びついた彼らは、十三隻の船を呑みこんだ海に挑むのですが、そこで待ち受けていたのは――

 船上での生活の細やかな情景描写にほれぼれしながらも、襲撃する敵との手探りの攻防、命を落としていく仲間たち、傷つき倒れるメンバー、次は自分かもしれないという緊張感が文面からひしひしと伝わり……読んでいるうちに、まさしく手に汗握る、という具合で、ページをどんどんめくってしまいます。そんな中、この世界に伝承される黒月の謎、またキャラクターたちがそれぞれ抱える秘密など、ミステリアスな伏線も鮮やかに張られ、一冊読み終わった頃には「次を……次を……!」と気になって堪らなくなってしまいます。

 特に、幼いながら確固たる自我を持ち、何らかの理由で大陸を超えることを切望するシエリ、そして穏やかで人当たりのいい紳士ながら、ところどころで気になる素振りを見せるラギのふたりが非常に気になります。あとルツ組はおねショタ。

 地に足についた、骨太ファンタジーを食べたい! という方に、間違いなく食べ応え抜群の一作です。テキレボ4では短編の新刊もあるそうですので、ぜひ!



『ふわりんかーねんしょん』
柏木むし子様 @k_mushiko
https://plag.me/p/textrevo04/1959

 タイトルのように軽やかでやわらかく、でも確かにあたたかいガール・ミール・ボーイ……ではなく、タコチャン、な、ふんわりファンタジー。

 主人公は8本(!)の足を持つ女の子、モニャニヤ。いつものように魔法学校で授業を受けていた彼女は、ある日空を漂う不思議な生物と出逢い、なりゆきで共に生活をするようになります。タコのような姿をしているその生物、ぷぃは、どうやら違う世界から来たようで……?

 戦ったりはしないのですが、情景描写や世界観が細やかかつ押しつけがましくないファンタジーで彩られていて、親しみを覚えつつ新鮮な読み心地を味わうことが出来ます。異種族間の交流、というのはきれいごとだけではなく、苦い思いをすることもあるけれど、それを越えて心を結び合ったときの歓びはひとしおだな、としみじみ感動しました。モニャちゃんとぷぃが、心を通じ合わせてお互いを思いやりながら日々を過ごす姿に、こちらの心までほぐされて癒される思いでした。

 ぷぃの正体や、随所に挿入される不思議で一風変わった世界観など、別作ワーキング・シリーズでも発揮されたむし子さんの独自の切り口が鮮やかに輝いて圧巻です。そして、それをてらいなく自然と読ませてくれる心地よさがなんとも堪りません。ちょっとささくれた心の救急箱、みたいな素敵なお話でした。



『ギルティ』(ジェフリー=クロウズ・シリーズⅡ) 
青銭兵六様 @Hyourock
https://plag.me/p/textrevo04/24

 渋くてかっちょいいオッサンはすきですかああああああ! 金にならない商売ばっかについ手を出しちゃったり女にモテるけど色っぽいことまで行かなかったりそれでも〆るところはきっちり〆るオトナの漢はすきですかあああああああああ!! ……聞こえた。聞こえましたぞ賛同の大歓声! よろしい、それならばこのジェフリー=クロウズ・シリーズを読むのです!!!!

 THE・ハードボイルド探偵モノなシリーズ第二弾。前作が主要キャストと、主人公・ジェフリーがどのような男かの顔見せだったとすれば、今回はそれを更に掘り下げるターンです。汚れを知らない無垢なアンドロイド・マリアを襲った事件、ジェフリーの宿敵・ブレイドの出現、事務所の大家・メイさんとのデート回まで、まさにてんこ盛り。でも決してキャラクター小説的でなく、あくまでエピソードありきでそこにジェフリーたちがどう立ち向かうか、という軸がブレないのがやはりハードボイルドです。

 4編収録の中、私の個人的なおすすめは『ボン・ボヤージュ』と『エンジェリック・ヴォイス』。前者は圧巻のおねショタだから。後者は構成も演出も最高にキマってます。探偵家業の仕事の有様が綿密に描かれていたのと、事件で関わる芸能業界で織りなされる若者悲劇の描き方の綿密さ、そこから形成をひっくり返すジェフリーの手腕の鮮やかさがともかく拍手喝采ものです。

 結構分厚いですが、そこはハードボイルドにサクサクシンプルに進むのでぐいぐい読み進められます。かっこいいおっさんが出る話、最近読んでねぇな……って方は、ぜひ!



おっさん×少女アンソロジー『掌を繋いで』
ゼロタビト様発行
https://plag.me/p/textrevo04/1614

 ページをめくってもめくってもおっさん×少女――こんなしあわせなことがあるのでしょうか……! それがいずれも4千字程度という程よい長さで飽きずにいくらでも食べられる……これは、おさ少の回転寿司? 椀子そば? 気づいたらお腹いっぱいになって天にも昇る気持ちになれる――承太郎さん、グレートな凶器ですよコイツぁ……!

 ジャンルも多種多様で、現代にファンタジー、サスペンスに時代劇まで、幅広い! おっさん×少女という概念の懐の広さを肌で感じます……特に、アイドルものと時代劇との相性のよさに感嘆です。恋愛感情を挟むものもあれば別の事情で結びつくものもあり、というのもまた堪りませんねぇ。

 全三十作品もあるのでちょっとすべてに言及できないので、特に面白く読ませて頂いたものだけ少し抜粋して言及をば……すみません……!

『お姫様の言う通り!』領家るる様:
かわゆい……! モモ姫様かわゆいぞォ……! 何気ない教室でのひとときにほっこりです。

『夢縁』高麗楼様:
タイトルどおり夢を見るような、しかし凝縮して描かれる夫婦の一生に感嘆しました。

『天賦の剣』奈良月君尋様:
この短さの中に剣士の矜持、緊迫した打ち合い、宿敵を得た歓び、が完璧に描かれていて圧倒されました……!

『竜おじさんと私の世界樹』なな様:
悠久の広がりを見せる世界観に惚れ惚れしながら、彼女と竜おじさんの絆にほろりとしました。

『おっさんと呼んでみろ』斉藤ハゼ様:
ギョーカイ人らしい丁々発止なやり取りにニヤニヤです……! ふたりの今後が気になります。



『Make-Believe』
青川有子様@f0f8ff
https://plag.me/p/textrevo04/2233

 かなしくうつくしくすきとおった、《ごっこあそび》の物語。作中に出てくるこどもたちの真剣さと切実さ、そしてその心の交流のやさしさが、ただひたすらしみじみと胸にしみて、所構わず号泣してしまう長編です…!

「その人がその人であるという理由だけで誰かを助けるような、こころのきれいな人間になりたい」、それが主人公・ケイタの行動原理。それに則って彼はふたりの少女、テンとミトを救う決意をします。テンは空虚な自分自身に、ミトはかつて失った絆に、深い傷を負っています。

 ケイタが彼女たちの傷にどう寄り添って救っていくのか、ぜひ直接見届けてください…! ジャンルとしては学園ものですが、少し不思議な世界観で…決して明らかに語られることはないのですが、その匙加減が絶妙で、もっと奥まで覗いてみたくなるような、でもどこか怖いような、堪らないバランスです…! 中でも、「学園は生徒に必要な特権区(その生徒だけが入れる部屋)を与える」という設定があるんですけど、もう、やさしさに溢れすぎだろ、と…! そんな学園に行きたかった…!!
“わたし”と“あなた”の関係を、それをどうやって結んでいくかを、どこまでも真摯に考えて描ききられた作品です。学生生活をかつて過ごし、社会で日々傷つき苦しみ、他人との関係に息苦しさを覚える方、そんな方にもぜひ手に取って頂きたいです。

 WEBでも公開されていますが、無料配布もされるとのことなので、ぜひ…! これ、無料なの…? いいの…? というくらい、作品も表紙も、素晴らしい一冊です…! 読んどこ、ね、読んどこ…!
(※この感想は以前ツイートで上げたものをまとめ、少し加筆したものです)


おねショタ ファンタジー 一次創作 小説
スポンサーサイト

テーマ:読書感想
ジャンル:小説・文学

最新記事

カテゴリ

つぶやき

プロフィール

世津路章

Author:世津路章
一次創作小説を書いています。

コメント欄は管理できないため閉じています。

◆リンクについて
当ブログはリンクフリーです。ただし、アダルト・宗教系サイトは除きます。
◆作品
当ブログ及び小説家になろうにて、『ミス・アンダーソンの安穏なる日々』『八奈結び商店街を歩いてみれば』を連載しました。前者はおねショタ小説で、2017年7月に電撃文庫より刊行されました(無敵の女傭兵ミス・アンダーソンを抹殺すべく派遣された羊ショタ執事悪魔(レベル1)のどたばたコメディ)。後者は大阪のどっかにある商店街が舞台のなにわ人情お約束劇です。

アイコンは岡亭みゆ様にご制作頂きました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文(要返信の場合はその旨をお書きください):

リンク

検索フォーム

QRコード

QR

月別アーカイブ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。