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 うおおおおおギリギリになってしまって申し訳ないですが、テキレボ直前ということで、ささやかながら援護射撃を兼ねた感想をば……!  どれもすごく面白い作品でしたので、気になりましたらぜひ!

 それでは続きは追記からどうぞ!

 ファンタジー おねショタ 一次創作
 



短編集:創作小箱3『ココアのれきし』《チューリップ庵》瑞穂檀様@MayumiMizuho

 テキレボ4で開催の《よいこのおみくじ》でご縁があり、立ち寄らせて頂いたサークルさんの短編集です。いくつか種類があった中で「じゃあココアがすきなので!」と買わせて頂いたら……これが……好みにどんぴしゃりでな……! すごく優しい語り口に、心地よくリフレインする言葉。あたたかい視線の降り注いだ、元気の湧いてくる物語たちに、開始わずか1ページで膝を折りうっうっと号泣しておりましたマジで。よいこのおみくじのご縁パない……!

 多分この本の中のしばりなんだと思うのですが、どのお話も人間以外の生物や物の視点から描かれています。その表現の仕方がまた絶妙で、少し不思議な非日常を楽しんだあと、「じゃあ自分ももうひとがんばりするか」と元気をもらいました。ココア、ノート、雛、じょうろ。彼や彼女たちの息吹が感じられる物語は、ぜひ体感して頂きたいです。

 作者の瑞穂さんのお話間違いなくすきだから、次のテキレボでは全買いしようとひそかに目論んでおります。



『とあるお店の短編集』《すてばちや》末広圭様@sutebachiya

 Twitter300字SS企画やワンライなどで展開している、末広圭さんの『とある○○』シリーズの短編集。各シリーズの設定やキャラクターの紹介もされていて、これを読めば君も今すぐ『とある○○』シリーズに追いつけるぞ!

 全く異なる趣の物語(カフェもの/バトルもの/BLもの)が、とある喫茶店という舞台に集束するのは面白い仕組みですね。そして、喫茶店で顔をあわすおなじみの面々が、それぞれの世界では全く違う顔を見せる、というコントラストもこのシリーズならではだと思います。

 特筆すべきは、なっかなか人のこないこのとある喫茶店で一人奮闘する看板娘・茶々良ちゃん。この娘はなんといっても不幸属性もちで、上述の企画などで新作が発表されるたびその不憫さに涙せずにはいられないというキャラです。常連さんに支えられつつ店を盛り立てようと頑張るも、空回りに終わることの多い彼女。ですが、本作の書き下ろしでちょっとだけ報われるところが見れて、こちらもほっこりしました。これからも数多の試練に見舞われることと思いますが、茶々良ちゃんの前途に幸いあれ!

 テキレボ5の新刊は『とある探偵~』シリーズみたいで、男装女子レイチェルさんスキーの私としては今から楽しみです……!




『Side Arm』《POINT-ZERO》青銭兵六様@Hyourock

おねショタアンソロジー『∞-infinity-』にご寄稿頂いた作品の、没プロットverを描かれたということで、ワキワキしながら読ませて頂きました。おねショタアンソロでも哀愁滲むハードボイルド・おねショタを炸裂させてくれた表六さんの作品らしく、裏社会と硝煙、そこで育まれた絆の対比が鮮やかで切ない一作でした……!

 殺し屋のレベッカと、ひょんなことからともに寝食を共にすることになった少年・レンナン。殺伐とした血と金の世界で生きるレベッカが、レンナンとの交流を経て日々にぬくもりを得る光景は、ぐっと胸に迫るものがあります。しかし、その生業が故にふたりに降りかかる危機。〈サソリ〉の異名を持つレベッカはその実力を以ってこれを乗り越えますが、その結末は……。予感されたこととはいえ、もの悲しいです。ただ、それだけに時が経って語られる簡潔なエピローグには、紛れもない光がありました。

 短編でご自身の持ち味をきちっと発揮し、さらに人間ドラマをばっちり盛り込んでくるのはさすが表六さんです。読み応えのあるおねショタ短編、ぜひ!




『Navy』《七月の樹懶》たつみ暁様@tatsumisn

 以前TLで見かけ、「すわたつみさんの書かれたおねショタとな?!」と思いすかさずGET。長編ファンタジー『アルテアの魔女』シリーズが代表作のたつみさんが描かれた短編、3作ともキラリと技が光る物語でした! 残念ながら『Navy』は完売のようですが、他にも短編集があるようなので気になられた方はぜひ!

 少女小説を書かれるたつみさんの筆らしく、収録作にはいずれも恋愛が花開いております。でも、そこは三者三様の恋模様。テイストが異なっていて、飽きずにおいしく(しかも程よい甘さ!)ペロリと頂くことが出来ます。令嬢と人さらい、薬師に王太子、作家と姪の少女。どれもオチが利いてて粋な物語です。

 中でもね、『ヤツガシラは真っ直ぐに飛ぶ夢を見るか』に関して語らないわけにはいきませんね! もうおねショタ。ガチでおねショタ。薬師……は表の顔で、実は各地を放浪とする仕事人のシエラ。彼女が引き受けた依頼は、友好外遊のため来訪していたシゲイル王太子の護衛。僅かな間に確かに心を通わせるふたりの交流がたまりません。しかもシゲイル王太子は最後きっちりウルトラCキメてくれますからね。さすが少女小説のヒーローやでぇ……! シエラとの邂逅を経て、彼女の抱える孤独を包み込むまでに成長する王太子の成長度半端ない。とてもおいしゅうございました。



『アルテアの魔女』③《七月の樹懶》たつみ暁様@tatsumisn

 心優しき《アルテアの魔女》エレと、死神の異名を持つ英雄・インシオン。ふたりの関係を軸に紡がれるファンタジー少女小説第三幕……ここにきて、シリーズ最大の波乱が待ち受けていました……!

 カギを握るのは突如エレとインシオンの前に現われたふたりの子ども、カナタとミライ。彼らにはある重大な秘密があり……ちょっとこれに触れてしまうとえんれぇネタバレになりますのでこれ以上は差し控えますが、「なんと!」と「うめぇ!!!」のダブルパンチであったことをここにご報告します。

 前2巻でお互いへの気持ちを打ち明け合うところまでいかなかったエレとインシオンですが、今作でやっとその想いが通じ合う……と、すんなりいかないのがお約束ですよね! 相手の大切さに気付いたふたりが引き裂かれてしまうこのジレジレ具合、これぞ少女小説……! と逆に拍手喝采でしたw

 一方で、《アルテア》の力――言の葉の力を以って様々な奇跡を顕現する――が、喜びや希望だけでなく、悲しみや絶望の引き金になりうる、というのを改めて感じ、その容赦なさが緊張感を生み出していていました。あることがきっかけで、将来エレとインシオンが辿り得る道が提示される場面がありましたが、そこで語られることの生々しさと救いのなさときたら……ただ甘いだけが少女小説じゃあないのよ? とたつみさんの笑顔が見えるようでした……。

 それでも、数々の困難を乗り越え、互いの想いを確認し、クライマックスに立ち向かうエレとインシオンは、大スペクタクルに相応しいヒロインとヒーローでした。きちんと絶望を描いた後、それに抗ったキャラクターたちがそれぞれの幸福を得るラストも素晴らしかったです。

 あと、何を隠そうカナタのヤンデレっぷりが好物でしてな! 次巻にも出てくるようなので、楽しみです!




『斜陽の国のルスダン』《銅のケトル社》並木陽様@namicky24

 各方面で大☆絶☆賛を受けている噂の『ルスダン』。あらすじ読んだだけでも面白そうで、乗るしかないこのビックウェーブに! と、グルジア史を欠片も知らないまま無謀にも飛び込みました。

 いや、もう、圧倒の一言……! ボリューム的には短~中編ですが、そこに濃縮されたルスダンの半生、当時のグルジアを巡る情勢が、まざまざと感じられるような熱さを持って描きあげられいて、読み終わった後思わず「ふはっ!」と息が漏れました。私のような歴史音痴にも、理解に必要な説明などが必要十分に織り込まれていて、苦なく……どころか、次の展開が気になってわくわくと読み進みました。

 13世紀に生まれ、波乱の生涯を送ったグルジア国最後の女王・ルスダン。『「先見の明あるヨーロッパの防衛者」とも「美しく淫蕩な愚昧の女王」とも呼ばれた』、とあらすじにもありましたが、評価の割れるこの女王を、作者の並木さんが丹念に資料を読み解き、渾身の物語を書き上げられています。歴史的な事実の裏側を、「実はこうだったのでは?」と想像を膨らませて書かれているのですが、それが流れとして、そして登場人物たちの心情として違和感がなく、壮大な歴史ロマンになっています。

 蝶よ花よと育てられながらも、時代の要請で女王となり、国外から押し寄せる数々の脅威に立ち向かわなければならなくなったルスダン。そんな彼女を支えようと全身全霊で献身するも、グルジア外のルーム・セジューク出身であるという理由で家臣たちから阻まれる夫・ディミトリ。兄王であるギオルギが戦場に斃れ、まだ未熟だったふたりが寄り添いあって奮起するも、諸々の要因で次第に擦れ違い、ついに別離してしまわなければならない、という展開はどうしようもなく切なく、また歴史の流れの残酷さをいやにも思い知らされました。グルジアを狙い侵攻してくるモンゴル軍の異様な強さ、そしてホラズムの帝王ジャラルッディーンの影など、絶えず休まることのない日々を生きるルスダンの姿は胸に焼き付くほど鮮烈です。そして、ジャラルッディーンの手に堕ちてなお、ルスダンのために己の役割を全うしようとするディミトリの愛に、ただ涙です……! 引き裂かれてしまったふたりだけれど、決してお互いの絆は誰にも奪えなかったのだ、と痛感するラストは静かながら圧巻でした……!

 仰々しい筆回しなどはなく、淡々と硬派に連ねられる文章ですが、そこからもなお並木さんの熱意が、グルジア史への愛が、滲み出ていて、それがこちらにまで伝わり、こんなにも感動するのだなぁとしみじみ思いました。そして、全く馴染みのなかった東ヨーロッパの歴史に心惹かれてしまっている自分に気づき、『ルスダン』の持つ熱量に改めて震撼するのでした。

 登場人物がみんな強い存在感を持っている中、個人的にはジャラルッディーンに仕える書記官・ナサウィーの飄々とした在り方にとても好感を持ちました。「このナサウィーめの書くものには、一文あたり一千ディナールの価値がありますから」、なんて、ユーモアと誇りを持って言ってのけるようになりたいものです。




『勇者のいない世界で』③《DA☆RK'n SIGHT》DA☆様

 魔王が現役JKで勇者のいる世界といない世界を行ったり来たりしてポーカーしたりする『勇者のいない世界で』シリーズ、堂々の、完結……!

 勇者のいる世界(ファンタジー)でヒロイン・飛鳥さくらが魔王としての虐殺を行う度、勇者のいない世界(現実)で、その虐殺された魂が転生し、彼女の同級生となる(そして一緒にポーカーしたりする)。その光景は、孤独に沈む飛鳥さくらを救うようにあたたかみがあり、かけがえのないものです。しかし正直なところ、甘いと感じていた部分もありました。虐殺された魂たちが転生したからといって、魔王と馴れあっていいのかと。魔王が、それを甘受していいのかと。

 その疑念は、クライマックスの容赦なさに、瞬時に氷解します。このために、前2巻があった。このひっくり返されたカタルシスは実に心地よく、やるせなく、だからこそ〝彼〟の言葉が嘘偽りなく響きました。なんという純愛なんだこれは。途轍もないものを読んでしまったという快哉ばかりがありました。

 勿論、そこに至るまでの物語も熱いです。勇者のいない世界でさくら達が最大の敵と決着をつけるポーカーバトルは息を呑みました。いや、私実のところポーカーのルールよくわかってないんですけど、駆け引きの熱さと場の勢いがもうぐいぐいくるんですよ。さくら率いるポーカー部VS学園を牛耳る理事長一派。汚い手を使ってくる相手側に対して、ポーカー部は一致団結……とはいかず、それぞれのやり方で最善を尽くして立ち向かっていきます。ときに反目しあうこともあるけれど、それも勝利のためで……ひとりずつ退場していくポーカー部の面々には、目頭熱くさせられっぱなしです。ここでの大対決があったからこそ、幕間のじゃれ合いが貴く思え、さらにクライマックスの意外さが引き立つんですね……! 熱い戦いを終えた後のつかの間の休息、特に伝説とも言える衝撃の水着回はぜひその目でお確かめください。

〝彼〟と〝彼女〟がそれぞれの役割を果たし、また担い、繰り返されていく物語。このループが続く限り、どこかで確かな愛が生まれるのだ、と思うとその広がりに言葉を失います。そして余韻を残したラスト、とても印象的です。〝彼女〟が己が役割を全うした後、〝彼〟とまた出会えましたように、と願わずにはいられません。そのぐらいの奇跡が、あってくれますように。




『ヘヴンズ・ドアー』下《浮草堂》浮草堂美奈様@ukikusado

 死後の世界でなお闘争を繰り広げる狂戦士たちの宴、その凄絶な有様を描いた『ヘヴンズ・ドアー』シリーズ。上・下巻で彼女たちの舞い躍る戦場と、そこで結ばれる絆に魅了されていた私は、この物語がどこまでも続くと思っていたのです。新キャラが出て来ては死にながら、それでもサザエさん的に連綿と続くのでは、と。しかしラグナロクの足音は確かに忍び寄り、ついにヴァルハラごと呑みこんでしまいます。

 結末へと加速する描写の中、登場人物たちはそれぞれの願いを叫びます。そしてそれが叶う度、人民が死ぬ。国が亡びる。狂乱が連鎖していく様子はまさにラストの相応しく、これまでで一番暴力的で、絶望的でした。これまで活躍してきた彼や彼女たちが望みの成就と引き換えに、祖国を巻き込んで潰えていく姿は、とても言葉に出来ず、ただページをめくるしかありませんでした。

 そんななか、《ヘヴンズ・ドアー》の三人娘、エミリー・紅玉・依子も、己が本懐を遂げるべくそれぞれの戦場に赴きます。他のキャラクターたちが代償を差し出し願いを叶えるのに対し、彼女たちは己が力のみを頼りに、望むものを掴みとろうとします。その中で斃れていくエミリーと紅玉。依子は彼女たちの無念を抱きながらも、終局で最大の好敵手と対峙します。薙刀を奮うその姿は狂おしいばかりにうつくしいです。すべての善も、すべての愛も、このヴァルハラではただ無意味。死してなお〝名誉の戦死〟がために猛る依子は、倫理など超越して圧倒的でした。だからこそ、彼女がジャックに遺した言葉が、突き刺さります。何故その言葉を、彼女は選んだのか。選ばざるを得なかったのか。そうさせた彼女の生き様に救いのなさを感じつつ、感傷など彼女の望んだ栄誉を穢すことに他ならないのだから、胸にそっとしまっておきます。

 他に特に印象に残ったのは、KGBが誇る不死身の大尉・ウラジミールを慕うニコライくんと、カナダのケネス&パーシー兄弟です。ニコライくんは、まさか、ね、ここまでの成長を遂げるとは……と滂沱の涙ですよ。最高かよ。ヤンデレ部下最高かよ。ケネス&パーシーは、彼らの絆を紡いだ過去の凄惨さと、パーシーのモンペっぷりがとてもすきです。

 上・中・下巻となるとちょっと長く思えますが、テンポよく進むのでサクサク読めます。これは間違いなく、ここでしか味わえない物語です。浮草堂さんの本は基本的に売切れ御免なので、この機会に、ぜひ……!




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Author:世津路章
一次創作小説を書いています。

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◆リンクについて
当ブログはリンクフリーです。ただし、アダルト・宗教系サイトは除きます。
◆作品
当ブログ及び小説家になろうにて、『ミス・アンダーソンの安穏なる日々』『八奈結び商店街を歩いてみれば』を連載しました。前者はおねショタ小説で、2017年7月に電撃文庫より刊行されました(無敵の女傭兵ミス・アンダーソンを抹殺すべく派遣された羊ショタ執事悪魔(レベル1)のどたばたコメディ)。後者は大阪のどっかにある商店街が舞台のなにわ人情お約束劇です。

アイコンは岡亭みゆ様にご制作頂きました。

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