回り込み解除

電撃!ブタのヒヅメ大作戦
 ロード・ムービーの次はスパイ・アクションだ! ということで、今回も世界征服を企む悪の組織が敵ながら、相対するは世界的な機関《SML》(セイギノ・ミカタ・ラヴ)、そのエージェントたち。と、ちょっとスケール・アップしています。

しんちゃん達かすかべ防衛隊の五人はSMLのエージェント・お色気と出会ったことがきっかけで、悪の組織・《ブタのヒヅメ》に浚われてしまいます。残された野原一家はお色気の救出を任務とするもうひとりのエージェント・筋肉とともに子どもたちの後を追いますが……と、緊迫したストーリー・ラインにちょいちょいおバカなギャグを繰り出してくるのが安心のクレしんです。

 巻き込まれてしまったかすかべ防衛隊は勿論無力なわけで、ブタのヒヅメの脅威に晒されます。ですが、彼らが直接的な暴力に見舞われることはありません(一回だけしんちゃんが銃撃されるシーンがありますが、それは見事なギャグシーンになっています)。それはお色気が、一心にかすかべ防衛隊を守り抜くからです。実はこのお色気、バツイチのママで子持ち。それゆえに、息子と同じくらいの子どもたちを巻き込んでしまった責任感と、それと同じくらい正義を全うせんとする強い心を持って、ブタのヒヅメに立ち向かっていくのです。最終決戦で敵に、「あんた、子どもを産んだことある?」と啖呵を切るお色気の姿は、まさに母は強し。スパイ・アクション分を一身に担う彼女は本当にかっこいいです(筋肉はアーノルド・○ュワルツネッガー分担当)。
 
 と、お色気についてついつい書き連ねてしまったのですが、本作にはもうひとり、重要なキーキャラクターが存在します。それはしんちゃんが生み出した〝すくいのヒーロー〟ぶりぶりざえもん。原作ファンにはおなじみの、この頼りになるようで実は全くならないヒーローが、なんと生みの親であるしんちゃんの敵として立ちはだかります。しんちゃんの作るお話の中だけおの存在であるはずのぶりぶりざえもんが、どうして敵となるのか? それはぜひ観てみてください(今考えると、本作でのぶりぶりざえもんの役どころってかなり時代の先端をいってたなぁと。今では結構普通にある設定ですが、当時は真新しかったんスよ)。しんちゃんとぶりぶりざえもんの対決の結果は、もう、涙無しには……。
 
 緊迫したアクションシーンとぶりぶりざえもんとの決闘、このふたつが間違いなく本作の軸ですが、巻き込まれたかすかべ防衛隊の冒険、しんちゃんを想い必死に捜索するみさえとひろしなど、随所に名シーンが盛り込まれています。また、前作に引き続きはっ倒される原作者・臼井儀人さんは必見です。


  以下、ネタバレを含む個人的なアレコレ(反転)  うん……いや、だって……こんなの泣くしかないやろ……!  すきなシーンはたくさんありますが、やっぱり一番はしんちゃんとぶりぶりざえもんの決闘です。「違うゾ、ぶりぶりざえもん。お前はすくいのヒーローなんだゾ」って言って、しんちゃんがぶりぶりざえもんの物語を聞かせるシーン。あれ、マジで入りから秀逸で、「むかしむかしあるところに おじいさんとおばあさんはあちこちにいましたが ぶりぶりざえもんというブタはいっぴきしかおりませんでした」(すいませんウロ覚えですが……)で、ぶりぶりざえもんという個性がたったひとつであるということを規定して、そこからだんだん《すくいのヒーロー》として心が芽生えていくっていうあの場面は、もう、ほんと、言葉にできねぇ……彼が《すくいのヒーロー》になるためには消滅するしかなくて、でも最後の最後に駆けつけてくれるっていうあの場面は、もう狙われてるってわかっていても、泣くやろ……むしろもうあの展開しかないやろ……! しずかに一筋の涙を流すしんちゃん、っていうのも、ぐっとくる演出です……。  あと、かすかべ防衛隊の野営とか、そもそも冒頭で熱唱するうめさんとか、細かいシーンもたくさんすきです。ブタのヒヅメ側の、悪役なんだけどちょっと抜けてるところとかもいいですよね。ママすきです。


 【25周年おめでとう!】
『映画 クレヨンしんちゃん』を勝手に振り返ってオススメしてみた。
 
◆目次◆
(4/1以降1日1ページ分開放されます)
-まえがき- ヘンダーランドの大冒険
暗黒タマタマ大追跡 電撃!ブタのヒヅメ大作戦 嵐を呼ぶジャングル
嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 
伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ! 
嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾! 
嵐を呼ぶ 黄金のスパイ大作戦 
嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス 
バカうまっ!B級グルメサバイバル!! 
オラの引越し物語 サボテン大襲撃 
-あとがき-  おねショタ 創作小説 オリジナル ファンタジー
スポンサーサイト

テーマ:映画感想
ジャンル:映画

最新記事

カテゴリ

つぶやき

プロフィール

世津路章

Author:世津路章
一次創作小説を書いています。

コメント欄は管理できないため閉じています。

◆リンクについて
当ブログはリンクフリーです。ただし、アダルト・宗教系サイトは除きます。
◆作品
当ブログ及び小説家になろうにて、『ミス・アンダーソンの安穏なる日々』『八奈結び商店街を歩いてみれば』を連載しました。前者はおねショタ小説で、現在公開休止中です(無敵の女傭兵ミス・アンダーソンを抹殺すべく派遣された羊ショタ執事悪魔(レベル1)のどたばたコメディ)。後者は大阪のどっかにある商店街が舞台のなにわ人情お約束劇です。

アイコンは岡亭みゆ様にご制作頂きました。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文(要返信の場合はその旨をお書きください):

リンク

検索フォーム

QRコード

QR

月別アーカイブ