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嵐を呼ぶジャングル

 正義の味方って、こういうことだとしみじみ実感しました。劇場版第一作の『アクション仮面VSハイグレ魔王』でもフィーチャーされていた、しんちゃん憧れのヒーロー・《アクション仮面》。第一作目では、あくまでも無敵の存在として描かれていましたが、『嵐を呼ぶジャングル』ではまた違った一面が照射されています。それはヒーローも、生身の人間であるということです。

 物語のはじまりは、野原一家とかすかべ防衛隊(+そのママたち)がアクション仮面劇場版最新作の試写会つき豪華クルーズに出かけたときのこと。この船は突然謎のサルたちの襲撃に遭い、大人はひとり残らず連れ去られてしまいます。サルたちの行く先はジャングルが鬱蒼と広がる孤島。意を決して、しんちゃんたちかすかべ防衛隊は探検にでかけるのですが……。

 いきなり大人がいなくなって子どもたちばかりになってしまう、という緊迫としたシチュエーションながらそこは『クレしん』。随所に緩急の利いたギャグが挿入して、暗くなりすぎずハラハラとした気持ちを楽しむことができます(特に、ジャングルの暑さも忘れて誰か隊長かで大揉めする場面は秀逸)。様々な困難を乗り越え悪玉の元にたどり着くしんちゃんたちを待っていたのは、強制労働させられる大人たちと、サルを操る黒幕でした。

 黒幕であるパラダイスキングはアクション仮面を指名し、ふたりはタイマンを張ることになります。野性のサルたちを従えるパラダイスキングの力は絶大でした。TVの中では並ぶ者のないアクション仮面もなすすべがなく、劣勢のままいたぶり続けられます。そこにいるのは絶対無敵の正義のヒーローではなく、ひとりの生身の人間。しかし、これでおしまいか、というときに、駆けつけたしんちゃんの声が響き渡るのです。それが次第に大きな声援になってアクション仮面の背中を押す、このシーンは間違いなく本作随一の名場面。正義の味方を信じた(もしくは今なお信じている)心が、熱く奮い立つ展開です。

 また、しんちゃんでお決まりの〝ケツだけ歩き〟がとんでもない活躍を見せるのも、本作の見所。結構ヘヴィな場面があるのですが、それでも最後におバカが勝つ! という劇しんのいいところをググッと楽しめる一作です。あとアクション仮面のおみ足がいろんな角度からいろんなラインで楽しめるので、ファンの方はぜひ!



以下、ネタバレを含む個人的なアレコレ(反転)

 第一作と繋がってるかどうか、っていうのがわりと話題になりますが、個人的には繋がってると思います。冒頭で郷剛太郎としんちゃんが挨拶交わしてるシーンが無意味に思えないっていうのと、あと対比させたかったんじゃなかったかなぁ、っていうので。本作のアクション仮面は、生身の人間っていのがかなり意図的に強調されている気がします。郷剛太郎自身に「ああ、飛んでるよ。画面(作中のアクション仮面映画)の中でね」とか、「いや、あれは映画で……」とか言わせている辺り、俳優としての彼が打ち出されているなと。だからこそ、勝ち目のなさそうな勝負に、ボロボロになりながらも立ち上がる彼がすごく尊いし、逆説的に、あれこそが《正義のヒーロー》なのだというのが強く感じられました。例え虚構であっても、それを信じる人々の気持ちを真正面から受け止め、決して膝を折らないことを以って、郷剛太郎は自らが《アクション仮面》であることを証明したんだなぁ、と(だって普通にただの演者だったら逃げますであんなん)。それを現実に近いラインで描いているところがすきです。

 いや、第一作目を否定したいというわけではなく。『アクション仮面VSハイグレ魔王』も初期クレしんの空気が濃厚に感じられてとてもよいものです(っていうか日常ものである『クレヨンしんちゃん』という作品を劇場版に相応しいヒーロー活劇に仕上げた現場の試行錯誤がガツンと感じられて泣ける)。非現実における、子どもの夢を一身に背負う無敵のアクション仮面の闘う姿は、そりゃあもうかっこいいんです。そこから、現実における《正義のヒーロー》描き出した『嵐を呼ぶジャングル』ができて、その対比がとてもうつくしいなぁとただ惚れ惚れしております。(拡大解釈承知で言いますが、多分第一作目における非現実(=パラレルワールド)におけるアクション仮面は超能力(アクションビームや超人的な身体能力)が付与しているけども、現実(=しんちゃんたちが通常生きる世界)ではそうした性質はなく、あくまでひとりの人間としての能力に留まるので、単純にパラダイス・キングみたいな上手が出てくると苦戦するんじゃねぇかな、と。んでアクション仮面が現実世界の方に出張して来てる理由は正義のヒーローの布教活動だと思ってる) 

 でもなんだかんだ言って一番すきなシーンはケツだけ大行進でサルを駆逐していくヤツです。


【25周年おめでとう!】
『映画 クレヨンしんちゃん』を勝手に振り返ってオススメしてみた。

◆目次◆
(4/1以降1日1ページ分開放されます)

-まえがき-
ヘンダーランドの大冒険
暗黒タマタマ大追跡
電撃!ブタのヒヅメ大作戦
嵐を呼ぶジャングル
嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 
伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ! 
嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾! 
嵐を呼ぶ 黄金のスパイ大作戦 
嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス 
バカうまっ!B級グルメサバイバル!! 
オラの引越し物語 サボテン大襲撃 
-あとがき- 


おねショタ 創作小説 オリジナル ファンタジー
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当ブログ及び小説家になろうにて、『ミス・アンダーソンの安穏なる日々』『八奈結び商店街を歩いてみれば』を連載しました。前者はおねショタ小説で、2017年7月に電撃文庫より刊行されました(無敵の女傭兵ミス・アンダーソンを抹殺すべく派遣された羊ショタ執事悪魔(レベル1)のどたばたコメディ)。後者は大阪のどっかにある商店街が舞台のなにわ人情お約束劇です。

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