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嵐を呼ぶ 黄金のスパイ大作戦

 なんというか、めちゃくちゃ正しい『映画 クレヨンしんちゃん』です。お下品さだったらおそらく劇場版随一。だけどそれが「生理的に嫌」までのレベルに行かず、「おいおい(笑)」みたいな微笑ましさを醸してくれる、微妙な匙加減で構成されています。下ネタギャグだけでなく、アクションあり、友情ありでエンターテイメントとしてほしいところが全部揃えられており、頼むと嬉しいお子様ランチのような一作です(ただ、下品は下品なので耐性ない人は注意してね!)。

 モチーフは〝スパイ・アクション〟。『ブタのヒヅメ』ではゲストキャラのお色気たちがこの役割を担っていたのに対し、『黄金のスパイ』では満を持してしんちゃんがスパイになります。この裏社会に彼を導くのが本作のゲストキャラ・レモン。彼女もしんちゃんよりちょっと年上なだけの幼い少女ですが、「アクション仮面の手助けをする《アクション・スパイ》として、一緒に正義のコンビにならない?」と言葉巧みにしんちゃんを誘います。実はこれは罠で、しんちゃんはある悪のたくらみに加担していくのですが……と、それは本編を見てのお楽しみ。

 まだ幼い女の子であるにも関わらず、大人びたレモンは熟練のスパイとしてしんちゃんを訓練します。謎の二人組みにしんちゃんが攫われそうになったときも、その場にいたかすかべ防衛隊を上手く誘導してまんまと撃退したりと、その腕前はまさにプロのエージェント。しかし、そんな彼女でも抱えている問題がありました。それは両親との関係。スパイとしての英才教育を受けてきたレモンは家族間の希薄な絆に疑問を持たないでいましたが、しんちゃん、そして野原一家との交流を経て、自らの意志でこの問題に対峙します。このドラマが非常に丁寧に描かれていて、徐々に芽生えていくしんちゃんとレモンの友情に思わず涙ぐんでしまうぐらいです。

 しんちゃんとレモンに焦点が絞られているので、野原一家やかすかべ防衛隊の活躍を望む方にはちょっと物足りないかもしれません。が、お下品とヒューマンドラマの合わせ技が絶妙なので、下品耐性ある方にはぜひオススメしたいです(冷静に考えると野原一家がわりと酷い目に遭ってるのですが、それを笑い飛ばせるお下品パワーがすごい)。また、テレビ版ではなくオリジナルのテーマが流れるOPがかっこよかったり(特に入り)、名作映画のパロディが脈絡もなく入っていたりと、色々凝った仕掛けがあって見ごたえもあります。が、基本は頭空っぽにして楽しめる良作です。〝感動〟の呪縛に囚われず素敵な娯楽作を作ってくださった制作陣に敬礼。


以下、ネタバレを含む個人的なアレコレ(反転)


 私は正直あんまり下ネタ得意じゃないんですが、『黄金のスパイ』は腹抱えて笑いました。もう始終オナラでぶっ通すのが素晴らしい。オチもオナラ砲2連チャンてwww 倒れたしんちゃんに駆けつけるみさえの、「やっぱり5歳児にあんな量のオナラは無理だったのよ……!」って涙ぐんでる台詞、すごい本人真剣なのに申し訳ないけどめちゃくちゃ笑ってしまった。

 結構、レモンちゃん一家のドラマ部分にバランスが寄ってるところがあるんですが、対称としての野原一家がきちんと描かれているのと、しんちゃんとレモンちゃんの友情が丁寧に積み重ねられているので、クレしんであることを投げ飛ばしてないギリギリの加減は護られていると思います。

 それにしても増井監督のインタビューで、作品のことに関しては緊張して話してたのがオナラのSEに話題が及んだ途端生き生きと語り始めるのガチすぎでそこも笑ってしまいました。増井監督にはまた劇しん作ってほしいけどなぁ……


【25周年おめでとう!】
『映画 クレヨンしんちゃん』を勝手に振り返ってオススメしてみた。

◆目次◆
(4/1以降1日1ページ分開放されます)

-まえがき-
ヘンダーランドの大冒険
暗黒タマタマ大追跡
電撃!ブタのヒヅメ大作戦
嵐を呼ぶジャングル
嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 
伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ! 
嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾! 
嵐を呼ぶ 黄金のスパイ大作戦 
嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス 
バカうまっ!B級グルメサバイバル!! 
オラの引越し物語 サボテン大襲撃 
-あとがき- 


おねショタ 創作小説 オリジナル ファンタジー
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当ブログ及び小説家になろうにて、『ミス・アンダーソンの安穏なる日々』『八奈結び商店街を歩いてみれば』を連載しました。前者はおねショタ小説で、現在公開休止中です(無敵の女傭兵ミス・アンダーソンを抹殺すべく派遣された羊ショタ執事悪魔(レベル1)のどたばたコメディ)。後者は大阪のどっかにある商店街が舞台のなにわ人情お約束劇です。

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